痛みの感じ方に男性と女性で差があるのだろうか。スペイン・マラガ大学のCarmen Ramirez-Maestre氏らは、恐怖回避モデルの再検討において慢性脊椎痛患者を対象に分析を行った。その結果、男性のみが恐怖回避と疼痛強度が関連していることを明らかにした。ただ、このような差はあるが、恐怖回避モデルは男性および女性いずれにも適切な理論的基準モデルになり得るという。Journal of Pain誌2014年6月号(オンライン版2014年3月13日号)の掲載報告。
本検討は、外来通院中の慢性脊椎痛患者400例(男性190例、女性210例)が参加して行われた。
回復力(resilience)、疼痛の恐怖回避および疼痛受容などを変数として、性差の仮説モデルについてLISRELを用い解析した。
主な結果は以下のとおり。
・疼痛強度、疼痛不安および現在の機能に関するスコアは、男性より女性が有意に高かった。
・男性および女性のいずれにおいても、回復力と疼痛との直面化(confrontation)の間に有意な関連が認められた。
・直面化は、疼痛強度、機能状態および抑うつ気分の3つと統計学的に有意に関連していた。
・男性においてのみ、恐怖回避と疼痛強度が関連していた。
(ケアネット)