睡眠と疼痛の関連には有意な個人差あり

提供元:ケアネット

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公開日:2014/07/11

 

 慢性疼痛と睡眠障害はしばしば共存していることが知られる。米国・クリーブランドクリニックのSara Davin氏らは、学際的な慢性疼痛リハビリテーションプログラム(ICPRP)を受けている患者を対象に、疼痛と睡眠の変化について同時に評価する検討を行った。結果、総睡眠時間と翌日の疼痛との関連には個人差が大きいことが明らかになったという。著者は「今回の結果は、ICPRP患者に対して、睡眠問題に注目することの有益性を示すものであり、疼痛と睡眠問題を有する患者において睡眠をターゲットとした治療に利点があることを強調するものであった」とまとめている。Pain Medicine誌2014年6月号(オンライン版2014年4月9日号)の掲載報告。

 研究グループは、ICPRPに参加している患者のうち、非がん性慢性疼痛を有する50例を対象に、毎日の総睡眠時間(TST)と疼痛強度を調査し、その変化をマルチレベルモデリング分析によって評価した。

 主な結果は以下のとおり。

・TSTの増加は、翌治療日の疼痛強度が低いことの予測因子であった。
・しかし、毎日の疼痛強度は、その夜のTSTの予測因子ではなかった。
・年齢、性別、不安、抑うつを調整後も、治療時間はTSTおよび疼痛軽減の有意な予測因子であった。
・TSTと翌日の疼痛強度との関係には、有意な個人差があることが認められた。
・前夜のTSTと翌日の疼痛の関連が強い患者において、全体的に最も大きな治療効果が得られた。

(ケアネット)