ヨガは2型糖尿病の効果的な予防戦略となるかもしれない。
糖尿病高リスク者に対するウォーキングとヨガの効果を比較したところ、ヨガ群で体重、腹囲の有意な低下がみられた。
一方で、食後・空腹時血糖値などのリスク指標への影響に有意差は認められなかった。
糖尿病リスク者のウエスト引き締め に「ヨガ」はウォーキングよりも有効
な可能性がある。
方法:糖尿病高リスク者が対象
● 被験者:インド在住、
空腹時血糖高値(初診FBG≧5.6mmol/L)、41例
● 期間:8週間
● 試験:乱数を利用した無作為化試験
・ヨガ群(21例):
ヨガクラス(マインドレクチャー含め1クラス75分)週に3~6日
・ウォーキング群(20例):
ウォーキング(30分、休憩を含め1回75分)週に3~6日
● 評価:intention-to-treat分析に基づいて評価。
▼主要アウトカム▼
BMI変化、腹囲、空腹時血糖値、食後血糖値、血清インスリン値、インスリン抵抗性、血圧、コレステロール値
※その他、抑うつ、不安、自覚ストレスなどを含む心理的well-being尺度の変化
結果:ヨガで腹囲が減少
▼ヨガ群 vs. ウォーキング群▼
● BMI: -0.2±0.8 vs. 0.6±1.6、p=0.05
● 腹囲: -4.2±4.8 cm vs. 0.7±4.2 cm、p<0.01
● 体重: -0.8±2.1 kg vs. 1.4±3.6 kg、p=0.02
- 2群間において、食後・空腹時血糖値、インスリン抵抗性などの糖尿病リスクに関する指標、および心理的well-beingの変化では有意な差は認められなかった。
- 両群ともに、収縮期・拡張期血圧、総コレステロール値、不安や抑うつ、ネガティブな感情および自覚ストレスについて、有意な減少が認められた。
考察:ヨガは有効な糖尿病の予防戦略となるかもしれない
今回、空腹時血糖高値のインド人における8週間にわたる検討から、ヨガの介入が、体重や腹囲の減少をもたらすことが明らかになった。著者は今後、より長期かつサンプルサイズの大きい研究での検討の必要性を示している。
未確定な部分は多いものの、ヨガは体重関連のリスク因子を減らし、心理的にも幸福感を高める、有効な糖尿病の予防戦略となるかもしれない。
(ケアネット 佐藤寿美)