日本人中年女性131名を対象とした検討の結果、コーヒーおよびポリフェノール摂取量が多い人ほど顔のシミが少ないことが明らかにされた。ネスレ日本の福島 洋一氏らが報告したもので、「コーヒーは、日焼けによる皮膚の老化の予防に役立ち、クロロゲン酸を含むポリフェノールにはシミにみられる色素過剰を減じる可能性があると思われる」とまとめている。International Journal of Dermatology誌オンライン版2014年7月11日号の掲載報告。
日焼けによる皮膚の老化には活性酸素が関与しており、シミやしわの形成に結び付いていることは知られている。コーヒーは最大のポリフェノール摂取ソースであり、日常生活において最も多量の抗酸化物質を供給する。しかし、どれほど摂取すれば皮膚の健康に影響があるかについてはほとんど検討されていなかった。
研究グループは、健康な日本人中年女性のコーヒーおよびポリフェノール摂取の皮膚への影響を調べるため、食事、環境要因、皮膚の状態について断面調査を行った。
各被験者の頬で、皮膚の含水量、経表皮水分蒸散量および弾力性を非侵襲的方法(それぞれCorneometer、Tewameter、Cutometer)で測定し、デジタル写真を用いてしわとシミの評価を行った。
主な結果は以下のとおり。
・試験には、健康な非喫煙で、日常生活における日光への曝露は中程度の30~60歳女性131名が参加した。アンケートにより食事、飲料摂取、生活状況を調べた。
・コーヒーと総ポリフェノール(全ソースおよびコーヒーから)の摂取量は、シミの評価スコアの低下傾向と統計的に有意な相関を示した(p<0.05)。
・コーヒーまたはクロロゲン酸からの総ポリフェノール摂取量が高値である被験者(三分位最高位群)は、紫外線によるシミの評価スコアが最も低かった(p<0.05)。
・以上のように日本人中年女性において、コーヒーおよびポリフェノール摂取は顔のシミと関連していた。
(ケアネット)