乾癬治療へのセチリジン追加投与は有効か

提供元:ケアネット

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公開日:2014/08/19

 

 フマル酸エステル(FAE)治療を受ける乾癬患者への、経口抗ヒスタミン薬セチリジン(同:ジルテックほか)10mgの1日1回投与の追加は、治療開始12週間の有害事象を減少しなかったことが報告された。オランダ・エラスムス大学医療センターのD.M.W. Balak氏らが無作為化二重盲検プラセボ対照試験の結果、報告した。FAEは乾癬の有効かつ安全な長期治療薬とみなされているが、30~40%の患者が耐え難い胃腸障害や潮紅などの有害事象のために服用を中断している。今回の結果を踏まえて著者は、「FAEが引き起こす胃腸障害や潮紅の発症機序には、ヒスタミン以外のメディエーターが関与していると思われる」とまとめている。British Journal of Dermatology誌オンライン版2014年7月17日号の掲載報告。

 試験は、PASI 10以上の乾癬患者でFAE 720mg/日の治療を開始した患者を、無作為に、セチリジン1日1回10mg群とプラセボ群に割り付け、12週間投与した。無作為化と治療割付は試験病院の院内薬局で行われた。

 主要アウトカムは、有害事象の発生と治療を中断した患者の割合であった。

 主な結果は以下のとおり。

・50例の患者(男性33例、女性17例、年齢中央値44歳)が登録され、1対1の割合で各群に割り付けられた。

・セチリジンの追加投与は、プラセボと比較して、有害事象を減少しなかった(84%vs. 84%、p=1.00)。

・有害事象のタイプは、両群で異ならなかった。また、最も共通してみられたのは、胃腸障害(68%vs. 64%)、潮紅(60%vs. 48%)であった。

・治療を中止した患者の割合も統計的有意差はみられなかった(24%vs. 32%、p=0.529)。

(ケアネット)