高齢の腰痛患者は一般開業医(GP)を受診することが多い。その際、鎮痛薬を処方される可能性が高いが、オランダ・エラスムス大学医療センターのWendy T M Enthoven氏らによる前向きコホート研究(BACE研究)の結果、GPを受診した高齢腰痛患者の7割強は、すでに受診前から鎮痛薬を使用していることが明らかになった。追跡期間中に鎮痛薬の使用は減少したが、3ヵ月後および6ヵ月後もまだかなりの患者が鎮痛薬を使用していたという。Pain Medicine誌オンライン版2014年8月4日号の掲載報告。
研究グループは、腰痛を主訴にGPを受診した55歳超の患者を対象に、ベースライン時、3ヵ月後および6ヵ月後の鎮痛薬の使用状況を評価した。
過去3ヵ月以内に腰痛のために薬剤を使用していた場合、薬剤名、使用量、使用頻度、および処方薬かOTCの別を質問した。
主な結果は以下のとおり。
・解析対象675例中、484例(72%)がベースライン時に鎮痛薬を使用していた。
・非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)(57%)が、パラセタモール(以下、アセトアミノフェン)(49%)より高頻度であった。
・アセトアミノフェンの多くがOTC(69%)、NSAIDsはほとんどが処方薬(85%であった。
・ベースラインで重度の疼痛(数値的評価尺度で7ポイント以上)を有していた患者は、アセトアミノフェン、オピオイドおよび筋弛緩薬の使用が多かった。
・慢性疼痛(3ヵ月超の腰痛)を有する患者は、アセトアミノフェンを使用することが多かったのに対して、疼痛の期間が短い患者はNSAIDsが多かった。
・追跡期間中、薬剤の使用は全体的に減少したが、3ヵ月後および6ヵ月後もそれぞれ36%および30%の患者が依然として鎮痛薬を使用していた。
(ケアネット)