小児期に手湿疹やアトピー性皮膚炎との関連が高く、水仕事に就いており、乳幼児の子育てをしている28~30歳の人で、手湿疹の発生率および有病率が高いことが明らかにされた。南デンマーク大学のC.G. Mortz氏らによるコホート研究の結果で、検討では、喫煙、教育レベル、小児期のニッケルアレルギーは無関係であったことも報告されている。British Journal of Dermatology誌オンライン版2014年8月7日号の掲載報告。
任意抽出した成人の手湿疹の発生率や有病率の評価は、いくつかの試験で行われている。しかし、任意抽出の小学生を成人まで追跡し、手湿疹発生やそのリスク因子について評価する検討は行われていなかった。
本試験では、青少年期から成人期までの手湿疹の発生率と、若年成人の手湿疹の有病率、および両者のリスク因子を推定した。
1995年に8年生(平均年齢14歳)を任意に抽出しコホートを作成、2010年に同コホートの登録者に、アンケートの記入と臨床検査(パッチテストなど)を受けるよう求め、結果について分析した。
主な結果は以下のとおり。
・1,501例が1995年に任意抽出され、2010年に同コホートから1,206例が追跡を受けた。
・結果、手湿疹の発生率は1,000人年当たり8.8であった。
・若年成人の1年間の有病率(1-year-period prevalence)は14.3%(127/891例)、時点有病率は7.1%(63/891例)で、女性で有意に高率であった。
・臨床試験では、6.4%(30/469例)で手湿疹が確認された。
・成人の手湿疹について小児期の重大因子は、アトピー性皮膚炎と手湿疹であった。
・成人になり水仕事に就いていること、また家庭で乳幼児の子育て中であることがリスク因子であった。
・任意抽出の若者における手湿疹は、病気休暇/手当受給/リハビリテーションと関連しており、重大な社会的影響がある可能性が示された。
・喫煙、教育レベル、小児期のニッケルアレルギーは無関係であった。
(ケアネット)