乾癬で痛みを感じる患者の実態は?

提供元:ケアネット

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公開日:2014/09/15

 

 乾癬で痛みのある人の割合と特徴が、イタリア・フェデリコ2世大学のCataldo Patruno氏らにより報告された。また、それらの患者の病変皮膚において、IL-33の発現が確認された。

 本調査の結果を踏まえ「尋常性乾癬のコントロールにおいては、皮膚の痛みの症状を考慮すべきである」と述べている。


目的:乾癬による痛みのある人の割合と発現要因の解明


 乾癬による痛みの発現率や、その発現要因はこれまで不明であった。
そこで、尋常性乾癬の臨床的重症度別にみた痛みの主観的/客観的評価を比較し、乾癬と痛みの発現に関与するIL-33の役割を検討した。


方法:主観的/客観的評価とIL-33発現を検討


痛みの主観的/客観的評価
対象:尋常性乾癬患者163例(男性98例、女性65例、年齢18~81歳)
臨床的評価:患者自身の全般評価、臨床医による全般評価(PGA)、疼痛閾値を測定するための圧痛計測定と触覚/熱感受性試験

IL-33遺伝子発現
対象:患者皮膚(in vivo、12例)およびex vivoの痛覚モデル
刺激条件:ドデシル硫酸ナトリウム


結果:病変部では痛みを感じやすく、IL-33も発現


被験者の43.6%が前週の皮膚の痛みを報告
痛み:かゆみ、不快感、痛み、過敏性、熱感/灼熱感、圧痛、痙攣が多い
疼痛閾値:PGAと痛みの強度が大きくなるほど低下
触覚/熱感受性の感度:病変部はそれ以外の部分よりも低い
IL-33発現:患者が痛みを申告する病変部の皮膚およびex vivoモデルで増加

(ケアネット 森 幸子)