英国・ブリストル大学のS.A. Hardcastle氏らによる住民ベース研究の結果、高骨量(HBM)例で変形性股関節症(股関節OA)や骨棘症の有病率が有意に高いことが明らかにされた。これまで疫学研究において、骨密度(BMD)増大とOAの関連は示唆されていた。著者は「今回の所見はHBMとOAには正の関連性があり、HBMにおけるOAは肥大性表現型であることを示すものだ」とまとめている。Osteoarthritis and Cartilage誌2014年8月号(オンライン版2014年6月24日号)の掲載報告。
研究グループは、HBMの人では対照群と比べ股関節OAの有病率が高いかを調べるため、新たな質問アプローチを用いた本検討を行った。
BMD Zスコアで定義されたHBM症例を、英国での研究例から集め、一方でファミリー対照として、指数に影響がない関連症例を集めた。さらに、年齢で層別化されたランダム検体をChingford and Hertfordshireコホート研究の一般集団から選定して分析に含んだ。
骨盤X線像を、症例-対照について盲検化された観察者1人がプールし評価を行った。分析はロジスティック回帰法を用いて、年齢、性別、BMIで補正をして行われた。
主な結果は以下のとおり。
・分析に含まれたのは、症例群が272人・HBM股関節530例、対照群が863人・1,702例であった。平均年齢は64.8歳、女性が84%であった。
・X線画像診断(Croftスコアで3以上)によるOA有病率は、症例群20.0%、対照群13.6%で前者が有意に高かった(補正後オッズ比[OR]:1.52、1.09~2.11、p=0.013)。
・骨棘症(OR:2.12、1.61~2.79、p<0.001)、軟骨下骨硬化(同:2.78、1.49~5.18、p=0.001)も症例群での有病率が有意に高値であった。
・一方で、関節腔狭小化(JSN)有病率の差は有意ではなかった(OR:0.97、0.72~1.33、p=0.869)。
(ケアネット)