椎間関節に由来する慢性腰痛に対する神経根切断術の有効性を、中国・人民解放軍総合病院第一付属病院のZhen-Zhou Li氏らが検討した。その結果、内視鏡下の背側枝神経根切断術は安全かつ有効であり、保存的治療よりも優れていると示唆されたことを報告した。Clinical Neurology and Neurosurgery誌オンライン版2014年8月18日号の掲載報告。
2011年4月~11月に、腰椎椎間関節に由来する慢性腰痛と診断された後、腰椎内側枝ブロック(MBB)で80%超の疼痛軽減が得られた58例を対象に検討を行った。
45例には内視鏡下で背側枝神経根切断を行い(手術群)、13例には保存的治療を行った(保存的治療群)。
術前および術後の、疼痛強度(視覚的アナログスケール[ VAS ]による)、疼痛改善率およびMacNabスコアを分析するとともに、解剖学的変化などを記録した。
主な内容は以下のとおり。
・手術群では、術後の任意の時点における疼痛(腰および腰に起因する)のVASスコアがMBB前より有意に低かったが(p<0.05)、MBB後とは差がなかった。
・保存的治療群では、同様に保存的治療後のVASスコアがMBB前より有意に低く(p<0.05)、MBB後より有意に高かった(p<0.05)。
・手術群の術後の任意の時点における疼痛改善率は保存的治療群より有意に高かった(p<0.01)。
・手術群における1年間の追跡調査において、MacNabスコアは、保存的治療群より高かった。
・手術群では、内側枝に4ヵ所の解剖学的変化が観察された。
(ケアネット)