座り仕事の15%が腰痛持ち、その発症要因とは

提供元:ケアネット

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公開日:2014/10/08

 

 腰痛は重要な公衆衛生問題であり、労災補償や医療費の点で大きな経済的負担となっている。北里大学の井上 玄氏らの調査によれば、腰痛発症のリスク因子として知られる座位を、長時間強いられる座作業労働者における最近の腰痛有病率は15%で、その発症には、腰痛既往歴や体重などが関与していたことを報告した。結果を踏まえて著者は、「本報告は、職場における腰痛発症の潜在的なリスク因子についての情報を提供するものである」とまとめている。Journal of Orthopaedic Science誌オンライン版2014年9月8日号の掲載報告。

 研究グループは、電子機器製造会社の座作業労働者を対象に、腰痛の有病率を調査し、腰痛発症のリスク因子を分析する目的で前向き横断研究を行った。

 直近1週間で48時間以上持続する腰痛の有病率を調査するとともに、毎年の健康診断から人口統計学的特性およびリスク因子に関するデータを収集し、腰痛を有する労働者についてはローランド・モリス障害質問票(RDQ)を用いて評価した。

 主な結果は以下のとおり。

・全座作業労働者1,329例中、201例(15.1%)が腰痛を有していた。
・女性では、体重およびBMIがRDQスコアと有意な相関を認めた。
・単変量解析の結果、男性、腰痛既往歴、身長170cm以上、体重70kg以上が腰痛の有意なリスク因子として同定された。
・多変量ロジスティック回帰分析では、腰痛既往歴、腰椎の手術歴が腰痛の有意なリスク因子であった。

(ケアネット)