人工膝関節全置換術後の電気刺激の効果は?

提供元:ケアネット

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公開日:2014/10/17

 

 人工膝関節全置換術(TKA)後のリハビリにおける疼痛に対し、経皮的電気刺激(TENS)は有効なのか?米国・アイオワ大学のBarbara Rakel氏らは、評価者盲検無作為化プラセボ対照比較試験を行い、鎮痛剤+TENS併用のほうが術後運動時の疼痛が少ないことを明らかにした。ただし、その効果はプラセボでもみられ、6週間で消失したという。また、術後の不安あるいは疼痛に対する破局的思考が少ない患者で、より大きな効果が得られることも判明した。Pain誌オンライン版2014年9月27日号の掲載報告。

 研究グループは、TKA後の疼痛、痛覚過敏ならびに機能に対するTENSの有効性を評価する目的で、初回片側TKAを受けた317例を対象に前向き無作為化試験を行った。

 術後および手術から6週後に、割り付けを知らない評価者が疼痛、機能(関節可動域、歩行速度)および痛覚過敏(定量的感覚試験による)について測定。また、鎮痛薬の摂取量、不安、うつ、疼痛に対する破局的思考についても調査した。

 主な結果は以下のとおり。

・TENS群(1~2回/日、平均42mAを使用)は、標準治療群と比較して術後の膝伸展運動時(p=0.019)ならびに速歩時(p=0.006)の疼痛が少なかった。
・TENS群とプラセボTENS群との間に、有意差は認められなかった。
・不安ならびに疼痛に対する破局的思考のスコアが低いTENS群の患者は、同スコアが高い患者に比べ、6週後の関節可動域痛が大きく改善していた。
・TENS群およびプラセボTENS群はいずれも、標準治療群より術後の機械刺激性痛覚過敏が少なかった(p=0.03~0.01)。

(ケアネット)