重症乾癬患者は血圧コントロールに注意

提供元:ケアネット

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公開日:2014/10/31

 

 高血圧患者において、乾癬罹患と血圧コントロールの不十分さは関連があり、その関連は乾癬の重症度が上がるほど増大することが、ペンシルベニア大学 医学大学院の竹下氏らにより報告された。

 これまで、乾癬患者では高血圧症はよくみられたが、乾癬の重症度と血圧コントロールについては不明であった。JAMA Dermatology誌オンライン版2014年10月15日掲載報告。

調査の目的


 高血圧と診断された患者において、乾癬の重症度と血圧コントロールの関連を明らかにするため調査を行った。

 なお、コントロール不十分の高血圧症は、乾癬の評価を行った直近の記録において収縮期血圧140mmHg以上、拡張期血圧90mmHg以上と定義した。

方法


 英国の電子カルテの医療記録データベースであるThe Health Improvement Network(THIN)を用いて、人口ベースの前向き横断的研究。

対象


 THINに医療記録があり、健康アウトカムと乾癬イベントの前向きコホートに登録していて、乾癬を発症している25~64歳の高血圧患者1,322例を無作為に抽出した。乾癬の診断と重症度の判断は、かかりつけの開業医によって行われた。

 対照群として、年齢、治療歴で適合させた乾癬の既往のない高血圧患者(1万1,977例)が抽出された。

結果


 コントロール不十分な高血圧と、罹患部位の面積で評価した乾癬の重症度には、明らかな関連がみられた。

 この関連は年齢、性別、BMI、喫煙・飲酒歴、合併症、高血圧治療薬・NSAIDsの服用による補正の有無に関わらず示された。
・軽度乾癬患者の調整後オッズ比[aOR]:0.97、95%信頼区間[CI]:0.82~1.14
・中等度乾癬患者のaOR:1.20、95%CI:0.99~1.45
・重症乾癬患者のaOR:1.48、95%CI:1.08~2.04
・それぞれp=0.01

 なお、乾癬患者全体では血圧コントロール不十分は増えたものの、有意差は示されなかった(aOR:1.10、95%CI:0.98~1.24)。

結論


 高血圧患者が乾癬を罹患している場合、乾癬が重症となるほど血圧コントロールが不十分となりやすい。本調査の結果より、重症の乾癬患者では、より効果的な血圧コントロールが必要となることが示された。

(ケアネット 森 幸子)