軟骨欠損に対しては異なる治療が提案されている。イタリア・Rizzoli Orthopaedic InstituteのGiuseppe Filardoらは、その中でも数少ない自家骨軟骨移植術(小~中程度の軟骨欠損例に適用される1個の自己骨由来の骨軟骨プラグを移植する術)について長期予後を検討した。1個の骨軟骨プラグを移植した患者を16年以上追跡した結果、若年者では治療選択肢として適していることを確認した。Orthopedics誌2014年9月号の掲載報告。
研究グループは、膝の非荷重部分から採取した1個の骨軟骨プラグをプレスフィット法で軟骨欠損部に移植する外科的治療の、長期予後を明らかにすることが目的であった。
膝の疼痛・腫脹などの臨床症状、およびグレード3以上の軟骨欠損を有する患者15例(30.2±15.3歳)を登録し、前向きに平均17.5±3.5年追跡した。
評価項目は、Lysholmスコア、International Knee Documentation Committee(IKDC)スコア、およびTegnerスコアであった。
主な結果は以下のとおり。
・すべての評価項目で、スコアの有意な改善が認められた。
・IKDCスコアは、ベースライン時34.5±23.6から最終評価時には66.3±26.4に有意に増加した(p=0.001)。
・Lysholmスコアも同様に、47.8±29.5から79.8±24.6に有意に増加した(p=0.001)。
・Tengerスコアは2年後に有意な増加を認め、以後、最終評価時まで維持された。
・治療の失敗は4例にみられた。そのうち3例は、中長期の追跡期間中に発生した。
(ケアネット)