前立腺がん、診断後の身体活動が生存率上げる

提供元:ケアネット

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公開日:2015/01/07

 

 前立腺がん診断後の身体活動と死亡率との関連を調べた研究はほとんどない。スウェーデン・カロリンスカ研究所のStephanie E. Bonn氏らは、前立腺がん診断後の身体活動が全死亡率および前立腺がん特異的死亡率に影響を与えるかどうかを、大規模コホートで検討した。その結果、身体活動性の高さが全死亡率および特異的死亡率の低下と関連することが示された。Cancer Epidemiology, Biomarkers & Prevention誌オンライン版2014年12月19日号に掲載。

 本研究では、1997~2002年に限局性前立腺がんと診断され、2012年まで追跡調査された男性4,623例のデータを分析した。診断後のレクリエーションの運動強度(METs)、歩行または自転車走行、家事、運動に費やした時間と、全生存期間・前立腺がん特異的死亡までの期間の関連を調べるため、ハザード比(HR)および95%信頼区間(CI)をCox比例ハザードモデルで推定した。すべてのモデルで、潜在的な交絡因子について調整した。

 主な結果は以下のとおり。

・追跡期間中、561例が死亡し、そのうち194例が前立腺がんにより死亡した。
・全死亡率は、レクリエーションを5METs・時/日以上(HR:0.63、95%CI:0.52~0.77)、歩行もしくは自転車走行を20分/日以上(HR:0.70、95%CI:0.57~0.86)、家事を1時間/日以上(HR:0.71、95%CI:0.59~0.86)、運動を1時間/週以上(HR:0.74、95%CI:0.61~0.90)行った男性が、それぞれの活動でより活動性が低い男性と比較して有意に低かった。
・前立腺がん特異的死亡率は、歩行または自転車走行20分/日以上(HR:0.61、95%CI:0.43~0.87)、運動1時間/週以上(HR:0.68、95%CI:0.48~0.94)の男性が有意に低かった。

(ケアネット 金沢 浩子)