周術期の治療と患者満足度には、どのような関連があるのだろうか。米国・シダーズ・サイナイメディカルセンターのDermot P. Maherらの研究によれば、術中の鎮痛は、疼痛管理に関する患者満足度および病院全体に対する患者満足度のいずれとも関連していなかった。関連が示唆されたのは、人口統計学的要因、入院前の薬物療法および麻酔回復室での疼痛スコアであったという。Pain Medicine誌2015年4月号の掲載報告。
本研究は、都市部の教育機関かつ3次医療のレベル1外傷センター1施設で行われた。米国患者満足度調査(HCAHPS)による評価に関する基準を満たしている外科入院患者連続2,758例を対象に、4つのHCAHPS質問項目に対する回答と周術期要因19項目との関連を後ろ向きに解析した。
主な結果は以下のとおり。
・「病院全体の評価はどれくらいですか」の回答が「9」または「10(最高)」は、入院期間(短い)、手術時間(長い)、術中オピオイド使用量(少ない)、術前ミダゾラム投与量(多い)、術後麻酔回復室(PACU)在室時間(短い)、PACUでの最終疼痛スコア(低い)と関連していた。
・「この病院をあなたの家族に勧めますか」の回答が「必ず勧める」は、PACUでの最終疼痛スコア(低い)と関連していた。
・「どのくらいの頻度で病院スタッフはあなたの疼痛をケアしましたか」の回答が「はい、いつも」は、入院期間(短い)、長期ベンゾジアゼピン使用者(割合が低い)、長期非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)使用者(割合が高い)、PACU在室時間(短い)と関連していた。
・「あなたの痛みはどのくらいの頻度でよくコントロールされましたか」の回答が「はい、いつも」は、長期オピオイド使用者(割合が低い)、長期ベンゾジアゼピン使用者(割合が低い)、長期NSAIDs使用者(割合が高い)、手術時間(長い)、PACUでの最終疼痛スコア(低い)、PACUでの初回疼痛スコア(低い)と関連していた。
・HCAHPSの回答との関連は、手術の種類(診療科別)によって異なっていた。
(ケアネット)