2013年のサン・アントニオ乳癌シンポジウムは、12月10日から14日の5日間で開催された。会期中気温は低く、外は寒かったが、会場内は例年より暖かく、比較的心地よく演題を聴くことができた。
一般演題ではTumor infiltrating lymphocytes(TILs)に関するものが続けて3題あり、その重要性がアピールされていた。私が病理をみていた限りでは、臨床的にあまり有用なものであるとは考えていなかったが、将来的には治療方針の決定に関わってくるのかもしれない。
また、アロマターゼ阻害剤について、ベースラインの症状とアドヒアランスの関係、ジェネリックとアドヒアランスの関係、エクササイズと関節痛への影響なども一般演題として採用されており、こういったことが非常に重要な課題として認識されているのだと感じられ、自身の診療を見直すきっかけになるものであった。アドヒアランスの低下は患者のQOLだけでなく、再発率の上昇や生存率の低下を招くため、内分泌療法開始前から注意を払う必要がある。
今回は5日間を通してとても勉強になる演題が多かったように思う。その中で特に臨床的に重要だと思うものをピックアップした。