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これまでの研究において、繊維摂取量と大腸がん発症の間に負の相関が認められているが、がんのステージによる違いは検討されていない。スウェーデン・ルンド大学のAlexandra Vulcan氏らは、The Malmo Diet and Cancer Studyで、繊維摂取量とその供給源、および大腸がん発症との関連を、性別、腫瘍部位、TNM分類ごとに検討した。その結果、繊維摂取量と大腸がんの間に、性別、腫瘍部位、繊維供給源により異なる関連が認められた。とくに果物やベリー類からの高い繊維摂取は、女性において大腸がん発症を防ぐ可能性があるという。The British journal of nutrition誌オンライン版2015年8月18日号に掲載。
The Malmo Diet and Cancer Studyは45~74歳の集団ベースのコホート研究である。著者らは、食事データは改変食事歴法で収集し、TNM分類は病理/臨床記録から取得、再評価した。
主な結果は以下のとおり。
・2万7,931人(女性が60%)における42万8,924人年の間に大腸がん728例が認められた。
・繊維摂取量と大腸がんリスクとの間に負の相関がみられた(傾向のp=0.026)。
・結腸がんに関しては、繊維摂取量と性別の交互作用はボーダーライン上であり(p=0.052)、女性に限れば有意な負の相関(傾向のp=0.013)が認められた。
・果物とベリー類の摂取量は、女性において結腸がんと負の相関がみられた(傾向のp=0.022)。
・直腸がんにおいて、繊維(p=0.048)および野菜(p=0.039)の摂取量と性別との間に有意な交互作用が認められたが、男女とも繊維摂取量やその供給源の間に有意な関連はみられなかった。
・繊維豊富な穀物製品の摂取量とN0M0腫瘍における負の相関を除いて、異なったTNMステージでは有意な関連は認められなかった。
(ケアネット 金沢 浩子)
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