緑内障による失明、その移行率や予測因子は?

提供元:ケアネット

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公開日:2015/09/09

 

 緑内障は失明の主たる原因である。イタリア・ミラノ大学のLuca Rossetti氏らは、欧州の大学病院7施設で治療した緑内障患者を対象に、失明への移行率や危険因子について後ろ向きに調査した。その結果、約20%の患者が失明に至っていた。緑内障による失明の特徴としては、診断あるいは専門医への紹介が遅いことと、多くの症例が正常眼圧で疾患が進行し、目標眼圧は達成されていたことが挙げられたという。失明の予測因子は、大学病院初診時のMD値ならびに眼圧(IOP)高値、および高齢者であった。PLoS One誌オンライン版2015年8月24日号の掲載報告。

 対象は、少なくとも片眼が緑内障の連続症例2,402例で、診療記録に基づき失明群とそれ以外(対照群)に分けて解析した。失明は、視力0.05または視野消失(10deg未満)と定義した。

 主な結果は以下のとおり。

・失明患者の割合は、初診時で片眼11.0%、両眼1.6%であったが、7.5±5.5年(範囲1~25年)の追跡期間終了時はそれぞれ15.5%および3.6%であった。
・失明(少なくとも片眼)への移行率は1.1%/年であった。
・134眼(97例)は、追跡期間中に原発開放隅角緑内障(POAG)によって失明した。
・これらの患者において、初診時のMD値は-17.1±8.3dB、IOPは17.1±6.6mmHgであった。
・追跡期間中にIOPは14%減少したが、MD値は1.1±3.5dB/年悪化した。この悪化は対照群(0.2±1.6dB/年)の5倍に上った。
・多変量解析において、緑内障による失明の予測因子は大学病院初診時のMD値(p<0.001)およびIOP(p<0.001)、高齢者(p<0.001)であった。

(ケアネット)