統合失調症、心臓突然死と関連するプロファイルは 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2015/09/29 統合失調症患者の心臓突然死(SCD)には、心血管プロファイルと服用する抗精神病薬の因子のほかに、身体的攻撃性が重大なリスク因子として関与していることが明らかにされた。台湾市立病院精神科医療センターのPing-Yi Hou氏らが、大規模患者コホート研究にて、SCDの発生率とリスク因子を調査し報告した。統合失調症患者は早期死亡リスクが高く、その潜在的要因としてSCDへの注目が増していた。Schizophr Research誌オンライン版2015年7月22日号の掲載報告。 検討は、1985年1月1日~2008年12月31日までに台湾北部の精神科医療センターで統合失調症(DSM-III-R、DSM-IV基準による)と診断された連続患者8,264例を対象に行われた。国の死亡データベースとリンクし、64件のSCD症例を特定し、標準化死亡比(SMR)を推算。リスクセットサンプリングを用いて1対2で無作為に選んだ対照と適合して評価した。各被験者の社会人口統計学的および臨床的特徴、処方薬のデータを集めて、標準化されたカルテレビューを行い、多変量条件付きロジスティック回帰分析にて、指標入院時および直近入院時のSCDの相関性を調べた。 主な結果は以下のとおり。 ・SCDのSMRは、4.5であった。 ・指標入院時にSCDリスクとの関連が認められた臨床的プロファイルは、身体的疾患(補正後リスク比[aRR]:2.91、p<0.01)、攻撃行動(同:3.99、p<0.01)であった。 ・直近入院時に関しては、心電図異常(aRR:5.46、p<0.05)、第1世代抗精神病薬(同:5.13、p<0.01)がSCDリスク上昇と関連していた。また、攻撃行動(同:3.26、p<0.05)もリスク増大と関連しており、同要因の一貫した関連が認められた。 関連医療ニュース 抗精神病薬は統合失調症患者の死亡率を上げているのか 統合失調症患者の突然死、その主な原因は 認知症への抗精神病薬使用は心臓突然死リスクに影響するか (ケアネット) 原著論文はこちら Hou PY, et al. Schizophr Res. 2015 Jul 22. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 統合失調症と気分障害の入院患者における代謝障害の相違点 医療一般 日本発エビデンス(2020/10/22) 統合失調症の心臓突然死リスク、抗精神病薬と年齢との関係 医療一般(2020/12/25) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] ATTR型心アミロイドーシス、CRISPR-Cas9遺伝子編集療法が有望/NEJM(2024/12/23) 更年期のホルモン補充療法、心血管疾患のリスクは?/BMJ(2024/12/23) 温水洗浄便座を使用する?しない?その理由は/医師1,000人アンケート(2024/12/23) 38種類の抗うつ薬と自殺リスク、小児に対するブラックボックス警告はいまだに有効か(2024/12/23) 帯状疱疹ワクチン、65歳を対象に定期接種化を了承/厚労省(2024/12/23) TN乳がん術前化学療法への周術期アテゾリズマブ上乗せ、EFSを改善せず/SABCS2024(2024/12/23) 増える成人食物アレルギーと新規アレルゲン、「食べたい」に応えるために/日本アレルギー学会(2024/12/23) 「ストレス食い」の悪影響、ココアで軽減の可能性(2024/12/23) [ あわせて読みたい ] クローズアップ!精神神経 7疾患(2021/01/26) ~プライマリ・ケアの疑問~ Dr.前野のスペシャリストにQ!【精神科編】(2019/06/15) Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24)