腰椎分離症の新たな後方固定術、成績良好

提供元:ケアネット

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公開日:2015/12/22

 

 腰椎分離症に対する手術療法の成績は比較的良好であるが、現在の手術法には隣接椎間の変性、軟部組織の損傷、適応の制限などまだ多くの限界がある。中国・West China Hospital of Sichuan UniversityのXing Rong氏らは、wiltseアプローチを用いた分離部修復を伴うISOBAR TTLによる腰椎後方固定の有効性を後ろ向き研究で評価した。結果、すべり症の有無にかかわらず腰椎分離症における臨床成績は良好であった。著者は、「この新しい手術手技は幅広い症例に適応でき、技術的な限界を克服できる」とまとめている。Spine誌オンライン版2015年11月27日号の掲載報告。

 対象は、2010年8月~13年1月に、腰椎分離症(軽微なすべり症の有無は問わない)で、wiltseアプローチを用いた分離部修復を伴うISOBAR TTLによる、腰椎後方固定を受けた患者13例であった。全例、24ヵ月以上にわたり、外来受診時または電話により追跡調査した。

 術前および術後の放射線学評価は前後、側方および屈曲X線画像、3次元再構築CTおよびMRI画像により行った。評価項目は、手術時の失血、手術時間、視覚的アナログスケール(VAS)、オスウェストリー障害指数(ODI)など。

 主な結果は以下のとおり。

・被験者(13例)は、男性9例、女性4例、平均年齢28.2歳であった。
・追跡期間中央値は、36ヵ月(範囲:24~53ヵ月)であった。
・手術は合併症もなく全例で成功した(分離部骨融合は、術後2年時にCTで確認された)。
・椎間板性疼痛、30歳超、重度の椎間板変性を有する患者を含む全例において、有意な疼痛改善が得られた(p<0.01)。

(ケアネット)