胃食道逆流症と機能性ディスペプシア、食事との関連は?

提供元:ケアネット

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公開日:2016/02/16

 

 胃食道逆流症(GERD)と機能性ディスペプシア(FD)が、缶詰食品や、ファストフード、アルコール飲料の消費と関連している可能性があることを、ルーマニア・グリゴーレ・T・ポパ医科薬科大学のIoan Chirila氏らが明らかにした。The Turkish Journal of Gastroenterology誌オンライン版2016年1月号掲載の報告。

 FDの発症はGERDと部分的に重なり合うため、共通の発症メカニズムを有することが示唆される。しかし、両疾患における食事の影響は、まだ調査中である。そこで本研究では、FDおよびGERDに関連する食事のタイプを評価した。

 被験者は、ホームドクターのオフィスに招待され、インタビューベースのアンケートが、FDおよびGERDの診断(ローマIII、モントリオール定義を使用)と、食生活および食物摂取の頻度を評価するために実施された。相関および回帰を統計解析に用い、結果はオッズ比(OR)と95%信頼区間(CI)で示した。

 主な結果は以下のとおり。

・4ヵ月の研究期間中、計184例の被験者が参加した。

・FDは、7.6%、GERDは31.0%にみられた。

・FDの予測因子は、低い教育レベル(OR:22.4、95%CI:3.3~150.1、p=0.001)や、缶詰食品の消費、少なくとも毎週のアルコール摂取であった。

・GERDの予測因子は、年齢や、缶詰食品の消費(OR:13.9、95%CI:3.6~53.9、p<0.001)もしくはファストフードの消費(OR:4.6、95%CI:1.7~12.1、p=0.002)であった。

(ケアネット 佐藤 駿介)