糖尿病では骨折リスクが増加するが、骨密度や主なリスク因子による説明は十分なされていない。デンマーク・オーフス大学病院のJakob Starup-Linde氏らは、糖尿病患者の骨折リスクにおける薬物治療および生化学的マーカーの関連について検討した。その結果、調査したほとんどの因子において骨折リスクが高かったが、LDLコレステロール(LDL-C)については値が高いと骨折リスクが低かった。BMJ Open誌2016年2月12日号に掲載。
著者らは、The Danish National Hospital Discharge Registryにおける糖尿病患者において、コホート内ケースコントロール研究を行った(ケース:骨折している糖尿病患者2万4,349例、コントロール:骨折していない糖尿病患者13万2,349例)。糖尿病患者2,627例の患者特性、併存疾患、生化学的パラメータ、薬剤の使用について分析した。
主な結果は以下のとおり。
・高年齢(オッズ比[OR]:1.02、95%信頼区間[CI]:1.01~1.04)、長い糖尿病歴(OR:1.06、95%CI:1.02~1.09)、骨折の既往(OR:2.20、95%CI:1.55~3.11)、アルコール関連疾患の診断(OR:2.94、95%CI:1.76~4.91)、総コレステロール(OR:2.50、95%CI:1.20~5.21)、抗てんかん薬使用(OR:2.12、95%CI:1.39~3.59)は、骨折リスクの増加と関連した。
・LDL-Cは骨折リスクの減少と関連した(OR:0.34、95%CI:0.16~0.74)。また、LDL-C値を8分位で検討した場合、最高分位である3.04~5.96mmol/L(117~230mg/dL)で骨折リスクが最も低かった。
(ケアネット 金沢 浩子)