企業との関与がある眼科医の中で、女性眼科医は少数派であり、また男性眼科医よりも平均すると報酬が少ないことが、米国・ジョンズホプキンス大学のAshvini K. Reddy氏らによる後ろ向き観察研究の結果、明らかとなった。ただし、その違いの理由は調べられていない。JAMA Ophthalmology誌オンライン版2016年4月21日号の掲載報告。
研究グループは、メディケア・メディケイド・サービスセンター(CMS)のオープン・ペイメント・データベースを用い、2013年および2014年におけるバイオメディカル企業の眼科医への支払いについて調査し、代表者、支払われた金額の中央値と平均値(男女別)について解析した(解析期間2015年7月~11月)。
主要評価項目は、支払い全体および項目別(研究費、コンサルティング料、謝礼、企業助成、特許等使用料、講演料など)の女性眼科医と男性眼科医の割合。副次的評価項目は企業からの支払額(平均値、中央値)であった。
主な結果は以下のとおり。
・2013年では、眼科医2万1,380人中4,164人(19.5%)が女性であった。企業からの支払いが確認されたのは1,204人で、このうち女性は176人(女性眼科医全体の4.2%)、男性は1,028人(男性眼科医全体の6%)(p<0.001)であった。
・平均支払額は女性1万1,419ドル、男性2万957ドル(p=0.001)、支払額中央値はそれぞれ3,000ドルおよび4,787ドル(p=0.007)であった。
・項目別でも女性眼科医の割合は非常に低かった。研究費10.6%(49/462人)、コンサルティング料15.7%(96/610人)、謝礼6.4%(3/47人)、企業助成14.3%(1/7人)、特許等使用料7.7%(1/13人)、教授/講演料4.2%(2/48人)、コンサルティング以外のサービス13.4%(52/388人)。
・2014年では、眼科医2万1,531人中4,352人(20.2%)が女性であった。企業からの支払いが確認されたのは1,518人で、このうち女性は255人(女性眼科医全体の6%)、男性は1,263人(男性眼科医全体の7.4%)(p<0.001)であった。
・平均支払額は女性1万4,848ドル、男性3万513ドル(p=0.004)、支払額中央値はそれぞれ3,750ドルおよび5,000ドル(p=0.005)であった。
・2014年においても、支払い項目別の女性眼科医の割合は非常に低いままであった。研究費10.4%(25/241)、コンサルティング料15.7%(145/921)、謝礼12.6%(14/111)、企業助成金12.0%(3/25)、特許等使用料4.6%(1/22)、教授/講演料11.1%(21/189)。
(ケアネット)