日本でのADHDスクリーニング精度の評価:弘前大学 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2016/06/07 ADHD児は、生活するうえで複数の問題を抱えている。そのため、早期に発見し、適切な介入を行うことが重要である。弘前大学の髙柳 伸哉氏らは、5歳児のADHDをスクリーニングするため、家庭および学校でのADHD-Rating Scale-IV日本語版(P- and T-ADHD-RS)の心理的特性を評価した。Research in developmental disabilities誌オンライン版2016年5月7日号の報告。 子供838人(男児:452人[ADHD:28人]、女児:386人[ADHD:18人])の親および教師は、ADHD-RSおよびStrengths and Difficulties Questionnaireを行った。 主な結果は以下のとおり。 ・P- and T-ADHD-RSより、2因子モデル(不注意と多動性衝動性)と内部整合性を確認した(CFI:0.968、980、RMSEA:0.049、0.055、SRMR:0.030、0.024、α=0.86~0.93)。 ・日本の男児、女児は、米国児と比較し、P- and T-ADHD-RS総スコアが有意に低かった(d=0.65~1.14、0.36~0.59)。 ・P-ADHD-RSは、T-ADHD-RSと比較し、AUC(0.955、0.692)、感度(89.13%、30.23%)、PPV(46.59%、16.05%)の高い精度を示した。 著者らは、「P-ADHD-RSは、集団よりADHDの可能性がある子供をスクリーニングするうえで、高い信頼性と妥当性を示した。学校での子供の生活適応の予測妥当性を検討するために、縦断的研究が必要とされる」とまとめている。 関連医療ニュース 2つのADHD治療薬、安全性の違いは 小児ADHD、食事パターンで予防可能か 成人期まで持続するADHD、その予測因子は (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Takayanagi N, et al. Res Dev Disabil. 2016 May 7;55:268-278. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] マラリア対策のための高解像度地図の最新版、COVID-19の影響は?/Lancet(2025/04/02) 2型DMへの自動インスリン投与システム、HbA1c値を改善/NEJM(2025/04/02) 胃がんT-DXd、日本における販売後調査の最終解析/日本胃癌学会(2025/04/02) 閉塞性肥大型心筋症へのmavacamten、長期有効性・安全性の中間解析(HORIZON-HCM)/日本循環器学会(2025/04/02) 腸管GVHDの発症・重症化および予防・治療における腸内細菌叢の役割/日本造血・免疫細胞療法学会(2025/04/02) OTC薬の乱用と精神症状発症リスクとの関係(2025/04/02) 「血痰は喀血」、繰り返す喀血は軽症でも精査を~喀血診療指針(2025/04/02) [ あわせて読みたい ] Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) Dr.ゴン流ポケットエコー簡単活用術(2014/06/11) 診療よろず相談TV(2013/10/25)