男性型脱毛症(AGA)の若年男性ではボディイメージの変化が心理社会的な障害となることが多い。ボディイメージへの不満は性機能の問題の増大に関連しているが、これまで心理社会的障害がAGA男性の性機能障害に及ぼす影響についての検討はなかった。スペイン・Hospital TorrecardenasのAlejandro Molina-Leyva氏らは、AGAの若年男性を対象に、抜け毛による心理社会的障害が性機能障害に及ぼす影響を検討した。AGAの主な治療の1つであるフィナステリド(1mg)には、性機能障害の副作用が現れることがある。著者らは「とくにフィナステリド治療を検討する際に、AGA男性では精神的健康状態および性機能の評価が重要といえる」と結論付けている。Acta dermatovenerologica Croatica誌2016年4月号掲載の報告。
横断研究デザイン。対象は、インターネットのオンラインコミュニティで募集したAGAの男性190人(18~40歳)。被験者はSKINDEX-29、Massachusetts General Hospital Sex Functioning Questionnaireから成るオンライン調査に回答した。
主な結果は以下のとおり。
・中等度~重度の心理社会的障害のあるAGA男性では、同障害がないもしくは軽度の男性と比較して、性機能障害のリスクが高かった(調整OR 2.1、95%CI:1.2~4.0、p=0.02)。
・性欲、性的興奮は性的反応が最も影響する要素だが、勃起不全の増加および全体的な満足度の減少が報告された。
・中等度~重度の心理社会的障害を有する18~40歳のAGA男性では、性機能障害のリスク増大が認められた。
(ケアネット)