紫外線A波(UV-A)と、白内障や皮膚がんリスクとの関連は知られているが、米国・Boxer Wachler視覚研究所のBrian S. Boxer Wachler氏は、自動車のフロントガラスとサイドウィンドウの紫外線A波(UV-A)カット率を比較した。その結果、フロントガラスのUV-Aカット率は車種による差はみられず一貫して高かったが、サイドウィンドウのUV-Aカット率はフロントガラスよりも低く、車種によって差があることが判明したという。著者は、「左眼の白内障と左顔面の皮膚がんの増加が報告されているが、今回の結果はその理由の裏付けの1つとなるものだ」と述べたうえで、「自動車メーカーには、サイドウィンドウのUV-Aカット率を高めることを検討してほしい」と提言している。JAMA Ophthalmology誌2016年7月1日号の掲載報告。
検討は、ロサンゼルスの自動車ディーラーにある15社計29台(年式は1990年~2014年、平均2010年)の車を対象に、車外、フロントガラスの内側(車内)および運転者側のサイドウィンドウの内側のUV-A波を測定し、それぞれのUV-Aカット率を評価した。
主な結果は以下のとおり。
・UV-Aカット率平均値は、フロントガラスが96%(範囲95~98%、95%信頼区間[CI]:95.7~96.3%)、サイドウィンドウが71%(範囲44~96%、95%CI:66.4~75.6%)で、フロントガラスが高かった。
・両者の差は、25%(95%CI:21~30%、p<0.001)であった。
・サイドウィンドウのUV-Aカット率が>90%と高かったのは、29台中4台(13.8%)であった。
(ケアネット)