地中海食の順守は数種のがんのリスク低下と関連しているが、地中海地方で実施した研究は少ない。今回、ミラノ大学のValentina Rosato氏らが、イタリアでの3件のケースコントロール研究のデータから、地中海食が大腸がんリスク低下に関与していることを確認した。British journal of cancer誌オンライン版2016年8月18日号に掲載。
著者らは、3件のケースコントロール研究のデータから、大腸がん症例3,745例、院内コントロール6,804例をプールした。地中海食の順守度は、9成分に基づく経験的な地中海食スコア(MDS)を用いて評価した。
主な結果は以下のとおり。
・地中海食の順守度が最も低い群(0~2MDS)に対する最も高い群(7~9MDS)のオッズ比(OR)は0.52(95%CI:0.43~0.62)で、順守度とリスクに有意な逆相関がみられた(p<0.0001)。
・MDSの1ポイント増加によるORは0.89(95%CI:0.86~0.91)であった。
・この逆相関は、各研究、がんの解剖学的位置、選択された共変量の各層で一貫していた。
(ケアネット 金沢 浩子)