米国・ワシントン大学のCecilia S. Lee氏らは、人口調査をベースとしたアプローチを用いて、走行ルートと走行時間を計算して、“近場の眼科”を定量化する検討を行った。結果、地域によって差はあるが、概して、米国のメディケア受給者集団の90%以上が、眼科医まで車で30分、検眼士まで15分以内のところに住んでいることが明らかになったという。Ophthalmology誌オンライン版2016年9月12日号掲載の報告。
研究グループは、2010年米国人口調査における65歳以上の回答者を対象に断面調査を行った。評価項目は、最も近い検眼士および眼科医までの走行時間と走行距離であった。
検討方法は、2012年Medicare Provider Utilization and Payment Dataおよびメディケア・メディケイドセンター(CMS)の支払いデータから、開業しているすべての眼科医と検眼士の住所を得るとともに、2010年の米国人口調査データを用いて区画ごとでの住民の地理位置情報および各位置における65歳以上の高齢者数を算出。また、米国におけるあらゆる道路の形状と走行制限速度を、OpenStreetMapプロジェクトから入手し、最も近い検眼士および眼科医までの正確な走行時間および走行距離を算出した。
主な結果は以下のとおり。
・CMSに名前が登録されている検眼士2万5,508人および眼科医1万7,071人に関して、3.79×107人の走行時間が計3.88×107の道路を用いて計算された。
・全国的に最も近い検眼士および眼科医までの走行時間中央値は、それぞれ2.91分および4.52分であった。
・最も近い検眼士および眼科医まで、90%の住民がそれぞれ13.66分および25.21分の距離に住んでいた。
(ケアネット)