医師の退職時期は? 早期退職の理由は?

提供元:ケアネット

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公開日:2016/12/07

 

 医師の退職計画と時期は、患者・病院・医療システムにとって重要である。無計画な早期の退職や遅い退職は、患者の安全性と人員配置の両方で悲惨な結果を招く。カナダ・トロント大学のMichelle Pannor Silver氏らは、医師の退職時期やプロセスにおける以下の4つの問い、(1)医師はいつ退職するのか?(2)なぜ早期退職するのか?(3)なぜ退職を遅らすのか?(4)どのような戦略が医師の定着や退職計画を促進するのか?について、既報の系統的レビューによって調査した。Human resources for health誌2016年11月号に掲載。

 著者らは、MEDLINE、Web of Science、Scopus、CINAHL、AgeLine、Embase、HealthSTAR、ASSA、PsycINFOで2016年3月までの英語論文を検索した。退職に関する医師の計画や考えについて量的と質的の両方またはどちらかで解析されている、主要ジャーナルの査読論文65報を同定した。ほとんどが横断研究であった。

 主な結果は以下のとおり。

・一般的に60~69歳に退職していた。
・早期退職の理由として、「過大な仕事量」と「燃え尽き」が頻繁にみられた。
・経済的債務が退職を遅らせていた。
・キャリアにおける不満、職場でのフラストレーション、仕事量のプレッシャーを緩和することが、仕事の継続をサポートしていた。

(ケアネット 金沢 浩子)