多毛症のレーザー脱毛前、毛は「剃る」 or 「カット」?

提供元:ケアネット

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公開日:2016/12/06

 

 多毛症や過剰な体毛は、多くの女性を悩ませる共通の問題であり、全世界の女性のうち約10%がこれに該当するという。

 レーザー脱毛の施術に当たり、前処理で体毛を短くする方法として、シェービングまたは、ハサミによるカットがあげられる。

 本試験では、脱毛前のシェービングまたはハサミでのカットが、多毛症におけるレーザー脱毛の効果と逆説的多毛(paradoxical hypertrichosis)の発生に与える影響を比較した。Journal of cosmetic dermatology誌オンライン版2016年9月号掲載の報告。
※逆説的多毛:レーザー照射後に生えた硬毛

 閉経前の女性多毛症患者129名を、シェービング群(66名)、ハサミでのカット群(63名)に無作為に割り付けた。両群にアレキサンドライトレーザー、月6回照射を6ヵ月間連続して行った。

 効果については5×5cm2の範囲内のあごの毛数を計測して判定した。逆説的多毛の発生は、レーザー脱毛期間中4回(試験開始時、3回目の照射前、6回目の照射前、6回目の照射終了6ヵ月後)評価を行った。

 主な結果は以下の通り
・3回目の照射前の毛数は、シェービング群15.06±5.20本、カット群13.07±4.44本であった(p=0.022)。両群ともに、試験開始時と比較して有意に少なかった(p<0.001)。

・6回目の照射前の毛数は、シェービング群2.80±1.16本、カット群2.71±1.12本で(p=0.673)、3回目の照射前よりも有意に少なかった(p<0.001)。

・6回目の照射終了6ヵ月後の毛数は、シェービング群11.27±9.30本、カット群8.15±3.12本であった(p=0.012)。逆説的多毛はシェービング群のうち3名にみられたが、カット群では認められなかった。

 以上の結果より、アレキサンドライトレーザーによる治療は、多毛症治療に非常に有用であることが示された。

 短期試験ではシェービング群とカット群は同様の結果を示した。1年間のフォローアップでは、毛数はカット群でより少なく、逆説的多毛の発生は、シェービング群のみに認められた。

(ケアネット 常盤 真央)