EGFR変異陽性NSCLC1次治療薬としてのオシメルチニブの評価/JCO

提供元:ケアネット

印刷ボタン

公開日:2017/09/08

 

 オシメルチニブは、Exon19、21といったEGFR遺伝子変異EFGR遺伝子変異と共にT790M変異に対する強力な阻害薬である。AURA試験に含まれる2つの未治療患者のコホートからEGFR変異型進行非小細胞肺がん(NSCLC)に対する初回治療としてのオシメルチニブの臨床活性と安全性を検討した研究結果が発表された。

 この研究では未治療の局所進行または転移性EGFR変異陽性NSCLC患者60例が、オシメルチニブ80mg/日または160mg/日投与を受けた(各コホート30例)。評価項目は、治験担当医評価の客観的奏効率(ORR)、無増悪生存期間(PFS)、および安全性であった。また、オシメルチニブの耐性機構を調べるため、患者がPDとなった時点あるいは後に血漿サンプルを収集した。

 主な結果は以下のとおり。

・データカットオフ(2016年11月1日)の追跡期間中央値は19.1ヵ月であった。
・ORRは、80mg群67%、160mg群87%、全体では77%であった。
・PFSは、80 mg群22.1ヵ月(13.7~30.2)、160㎎群19.3ヵ月(13.7~26.0)、全体では20.5ヵ月(15.0~26.1)であった。
・血漿サンプル採取38例のうち、50%は血中循環腫瘍DNAが検出不可能であった。
・19例中9例は、MET増幅(n=1)、EGFRおよびKRAS増幅(n=1)、MEK1、KRAS、またはPIK3CA変異(それぞれn=1)、EGFR C797S変異(n=2)、JAK2変異(n=1)、HER2 exon20挿入変異(n=1)を含む推定抵抗性機構を有していた。
・EGFR T790Mの獲得は検出されなかった。

 オシメルチニブは、未治療のEGFR変異進行NSCLC患者において、高いORRと長いPFSを示した。

(ケアネット 細田 雅之)