眼瞼下垂、睡眠時無呼吸との関連は?

提供元:ケアネット

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公開日:2017/09/20

 

 眼瞼弛緩症候群と睡眠時無呼吸症候群(OSA)の関連は数多く報告されているが、眼瞼弛緩症候群の診断基準は主観的で曖昧である。米国・マウント・サイナイ・アイカーン医科大学のTimothy P. Fox氏らが、睡眠クリニックで終夜睡眠ポリグラフ検査を行った患者201例を対象に調査した結果、眼瞼弛緩スコアとOSAの存在または重症度の関連は認められなかったと報告した。著者は、「サブグループ解析の結果から、先行研究は交絡因子や眼瞼弛緩の確認手技において限界があったことが示唆される」とまとめている。JAMA Ophthalmology誌オンライン版2017年9月7日号掲載の報告。

 研究グループは、睡眠クリニックの患者集団において、眼瞼弛緩または眼表面疾患の定量的なマーカーとOSAとの関連を評価する目的で、横断観察研究を行った。

 対象は、2015年3月1日~8月30日に、終夜睡眠ポリグラフ検査の目的でマウント・サイナイ・アイカーン医科大学睡眠医学センターを紹介された201例(402眼)であった。眼瞼弛緩と眼表面疾患についてベッドサイド眼科検査で評価し、睡眠ポリグラフ検査の結果に基づきOSAの有無と重症度を判定した。

 主な結果は以下のとおり。

・201例の患者背景は、平均年齢53.2歳(±SD 13.5)、女性43.3%(87例)、白人56.7%(114例)、アフリカ系アメリカ人26.9%(54例)、アジア人4.0%(8例)、混血8.0%(16例)、不明4.5%(9例)で、ヒスパニック系が21.9%(44例)、非ヒスパニック系が75.1%(151例)であった。
・OSAと性別、年齢、BMIおよび内科併存疾患との間の既知の関連について補正後、OSA重症度と眼瞼弛緩スコア(回帰係数:0.85、95%信頼区間[CI]:-0.33~0.62、p=0.40)、あるいは眼表面スコア(回帰係数:1.09、95%CI:-0.32~0.29、p=0.93)との間に関連はないことが示された。
・サブグループ解析の結果、男性において、眼表面スコア高値、高齢者、糖尿病が、眼瞼弛緩スコア高値と関連していた。
・眼瞼弛緩症候群の所見が認められたのは1例(0.5%)のみであった。

(ケアネット)