LDL-Cが低い人でもスタチンは有用か~コホート研究

提供元:ケアネット

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公開日:2017/10/10

 

 LDLコレステロール(LDL-C)の管理とスタチン治療戦略に関する推奨は、ガイドラインによって異なる。国立国際医療研究センターの辻本 哲郎氏らの前向きコホート研究の結果、スタチン治療はLDL-C値が低い場合も高リスク患者の全死亡率を下げるために有効であることが示唆された。The American Journal of Cardiology誌オンライン版2017年8月30日号に掲載。

 著者らは、1999~2010年の米国における国民健康・栄養調査のデータを使用して前向きコホート研究を実施した。全死亡・心血管死亡・非心血管死亡について、Cox比例ハザードモデルを用いて無調整および多変量調整後のハザード比(HR)を調べた。年齢、性別、人種と民族、学歴、喫煙状況、BMI、心血管疾患とがんの既往歴、糖尿病、高血圧、LDL-C値、HDL-C値、トリグリセライド値(対数変換)、eGFR値、微量アルブミン尿の有無で調整した。本研究は、心血管疾患リスクが高い患者で、LDL-C値が120mg/dL未満(平均88.7mg/dL)の1,500例を対象とし、99%の患者がフォローアップを完了した。

 主な結果は以下のとおり。

・多変量Cox比例ハザードモデルによると、全死亡率はスタチン投与群が非投与群より有意に低かった(HR:0.62、95%CI:0.45~0.85、p=0.004)。

・傾向スコアでマッチさせた患者およびLDL-C値100mg/dl未満(平均78.6mg/dL)の患者に限定した解析でも、同様の結果であった。

・スタチン投与患者における全死亡率について、LDL-C値70mg/dL未満の患者が70~120mg/dLの患者より低いということはなかった(HR:1.27、95%CI:0.76~2.10、p=0.35)。

(2017年10月10日10:37 タイトルおよび本文を一部訂正いたしました)

(ケアネット 金沢 浩子)