緑内障進行の早期発見、OCT vs.視野検査

提供元:ケアネット

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公開日:2017/10/25

 

 緑内障の進行を早期に発見するためには、光干渉断層法(OCT)と視野検査のどちらが有用だろうか。米国・オレゴン健康科学大学のXinbo Zhang氏らは、Advanced Imaging for Glaucoma Studyに登録された患者について解析し、初期緑内障の進行を検出する感度は視野検査よりOCTが良好であることを示した。特に、乳頭周囲網膜神経線維層(NFL)厚は進行した緑内障で減少するのに対して、神経節細胞複合体層(GCC)厚は初期から進行期にわたって緑内障の進行を検出するのに役立つことも示した。American Journal of Ophthalmology誌オンライン版2017年9月27日号掲載の報告。

 研究グループは、多施設共同研究であるAdvanced Imaging for Glaucoma Studyにおいて、6ヵ月ごとに5回以上受診した患者を対象に、フーリエ-ドメインOCTによるNFL厚とGCC厚、ならびに視野について分析した。
 進行の定義は、OCTではNFLまたはGCCが有意に減少する傾向が見られた場合とし、視野検査ではイベントまたは傾向分析で有意に達した場合とした。

 主な結果は以下のとおり。

・解析対象は、緑内障疑い/極早期緑内障(GS/PPG)417眼、早期緑内障(PG)377眼であった。
・GS/PPG群において、進行はOCTで38.9%に検出され、視野検査による18.7%より有意に高かった(p<0.001)。
・PG群では、重症度別解析で、初期PGにおいてはOCTが視野検査より進行の検出率が有意に高かった(49.7% vs.32.0%、p=0.02)。しかし、中等度および高度PGにおいては有意差はなかった。
・NFL菲薄化の割合は高度PGで劇的に減少したが、GCC菲薄化の割合は比較的安定したままで、高度PGでも進行を良好に検出し得た。
・GS/PPG群とPG群の両方において進行検出の偽陽性率は、視野の傾向分析が10%を超えたが、GCCとNFLに関しては7%未満であった。

(ケアネット)