自撮り写真でのにきびの遠隔診断、対面診断とほぼ一致 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2018/01/23 テレダーマトロジー(遠隔皮膚診断)は過去20年で急激に成長し、特定の皮膚科アプリケーションについて多くの技術革新が、必ずしも検証研究を受けることなく利用できるようになっている。米国・コロンビア大学のHannah M. Singer氏らは、予備的な臨床試験を行い、Network Oriented Research Assistant(NORA)による自己撮影写真を用いたざ瘡(にきび)の評価と、対面診断の結果が一致することを明らかにした。著者は、「NORAは信頼性が高い遠隔診療技術であり、皮膚科学研究のための遠隔皮膚診断プラットフォームとして使用することができ、皮膚科診療へのアクセスを増やすことができるものである」とまとめている。JAMA Dermatology誌オンライン版2017年12月20日号掲載の報告。 研究グループは、NORAを使用し患者自身が撮影したざ瘡の写真を使った医師による総合的な重症度評価(Investigator's Global Assessment:IGA)所見が、対面診断した所見と一致するかどうかを検討する目的で、予備的な信頼性試験を行った。 2016年1月1日~3月31日に、カリフォルニア州ロサンゼルス市の皮膚科診療所1施設において、iPhone 6でNORAを使用することが可能なざ瘡患者を連続して登録した。すべての参加者は、iPhone 6でNORAを使用して自分の顔の写真を撮る方法について訓練を受けた。同じ皮膚科医が、写真のデジタル評価とざ瘡の対面診断を、1週間以上の間隔を空けて行った。 評価項目は、ざ瘡の病変数(合計、炎症性病変、非炎症性病変および嚢胞性病変数)とざ瘡重症度に関するIGAで、NORAによるざ瘡評価のための自己撮影写真の信頼性を、対面診断所見と比較した。 主な結果は以下のとおり。 ・計69例(男性37例[54%]、女性32例[46%]、平均年齢[±SD]22.7±7.7歳)が登録された。 ・ざ瘡の対面診断と写真のデジタル評価の級内相関係数は、強い一致性を示した。 ・級内相関係数は、合計病変数(0.81)、IGA(0.75)、炎症性病変数(0.72)、非炎症性病変数(0.72)、嚢胞性病変数(0.82)であった。 (ケアネット) 原著論文はこちら Singer HM, et al. JAMA Dermatol. 2017 Dec 20. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 対話型テキストメッセージの禁煙介入、青少年の禁煙率を上昇/JAMA(2024/08/16) AI搭載超音波デバイス、妊娠週数を正確に推定/JAMA(2024/08/16) 肝細胞がん患者、半数が「治療が仕事に影響」、休職・退職も/AZ(2024/08/16) 国内での小児の新型コロナ感染後の死亡、経過や主な死因は?(2024/08/16) 糖質摂取と認知症リスク〜前向きコホート研究(2024/08/16) 犬は人間のストレスのにおいを感じ取り、行動を選ぶ(2024/08/16) 入院中の移動能力の変化が大腿骨近位部骨折リスクと関連(2024/08/16) [ あわせて読みたい ] Dr. 倉原の“おどろき”医学論文(2013/08/21) 抗がん剤皮膚障害セミナー(2)マルチキナーゼ阻害薬I最新情報(2013/09/27) 「内臓疾患が関与する皮膚病変」ミニアトラス(2013/06/25) 「内臓疾患関与のない皮膚病変」ミニアトラス(2013/06/18) 症例クイズ「がんを合併する1例の診断」(2013/06/04) 聖路加GENERAL【Dr.衛藤の皮膚科疾患アーカイブ】<下巻>(2013/05/13) ダーマトロジー エキスパートQ&A(2013/05/02) 聖路加GENERAL【Dr.衛藤の皮膚科疾患アーカイブ】(上巻)(2013/01/06) Dr.夏井の創傷治療大革命(2012/12/01) 平本式 皮膚科虎の巻<下巻>(2012/12/01)