体重過多の妊婦では出産までの体重増加を11.5kgまでにおさめ、肥満の妊婦では出産時に体重を減少させることが望ましいことが、横浜市立大学附属市民総合医療センターの廣岡 潤子氏らによる研究で明らかになった。Endocrine Journal誌2018年5月28日号に掲載。
妊婦の肥満状態によって、出産時までの望ましい体重増加量は変わると考えられている。著者らは、単胎妊娠の日本人妊婦6,781例をBMIにより体重過多(BMI 25kg/m2以上30kg/m2未満、4,941例)と肥満(BMI 30kg/m2以上、1,840例)に分類し、妊娠前から出産時までの最適な体重増加量を決定するために調査を行った。
主な結果は以下のとおり。
・体重過多群における妊娠中の体重増加は、新生児の出生体重と関連していた。
・体重過多群の体重減少(体重増加0kg未満)および体重微増(体重増加0kg以上7kg未満)サブグループでは、在胎不当過小および低出生体重の有意な増加が認められた。リスクは体重増加量0kgで最も低く、11.5kgから急激に上昇した。
・肥満群では、体重増加とともに在胎不当過大が増加したが、在胎不当過小と妊娠中の体重増加量との関連は認められなかった。
・以上のことから、妊娠中の最適な体重増加量は体重過多群で0~11.5kg、肥満群では体重を減少させる必要があることが示された。
(ケアネット 生島 智樹)