医療従事者へのインフル予防接種の効果は

インフルエンザ予防接種は、医療従事者におけるインフルエンザ感染予防、スタッフや患者へ伝染防止のための一般的な介入である。長崎大学の今井 智里氏らは、医療従事者間の季節性インフルエンザ予防接種の疫学的および経済的な有効性の最新のエビデンスを統合するため、系統的レビューとプール解析を行った。その結果、インフルエンザワクチンが感染症発症減少と欠勤期間短縮に効果があることが示された。PLOS ONE誌2018年6月7日号に掲載。
著者らは、MEDLINE/PubMed、Scopus、Cochrane Central Register for Controlled Trialsにおける1980~2018年の論文を系統的に調査し、ワクチン接種群と非接種群(プラセボまたは非介入)を比較したすべての研究を抽出した。ただし、患者関連アウトカムのみ、インフルエンザA(H1N1)pdm09ワクチンにフォーカスした研究は除外した。2名のレビュアーが独立して論文を選択しデータを抽出し、検査で確定したインフルエンザ、インフルエンザ様疾患(ILI)、欠勤を含む罹患のアウトカムについて、プール解析を行った。また、経済学的研究は「方法」と「結果」の特性について要約した。
主な結果は以下のとおり。
・13報の論文が適格基準を満たしていた(3報は無作為化比較研究、10報はコホート研究)。
・プール解析では、検査で確定したインフルエンザの罹患率に有意な効果が認められたが、ILIでは有意ではなかった。
・欠勤の発生率は予防接種によって変化しなかったが、ILIによる欠勤は有意に減少した。
・欠勤期間も予防接種により短縮した。
・公表された経済的評価はすべて、予防接種で回避された欠勤の粗推定値により、医療従事者の予防接種が費用節減となることを一貫して示した。しかしながら、健康アウトカムとワクチン接種プログラムの費用の両方を包括的に評価し費用対効果を調べた研究はなかった。
(ケアネット 金沢 浩子)
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