ギャンブルがアルコール消費に及ぼす影響 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2018/08/08 アルコールとギャンブルとの関連を調査した実験的研究では、主にアルコールのギャンブル行動への影響に焦点が当てられている。逆に、ギャンブルがその後のアルコール消費に及ぼす影響については、ほとんど論じられていなかった。カナダ・ブリティッシュコロンビア大学のJuliette Tobias-Webb氏らは、ギャンブルとその成果が、後のアルコール消費に及ぼす影響について、2つの実験を行い評価した。Journal of Gambling Studies誌オンライン版2018年7月11日号の報告。 実験1では、参加者53例には、アルコールを含む飲料を30分間要求することができる自由摂取試験(ad libitum consumption test)を実施した。実験2では、参加者29例には、ビールのテイスティング検査手順(beer taste test procedure)に従い、ビールの種類の評価を課した。両実験において、日常的にギャンブルを行う男性は、アルコールが提供される前に、30分間テレビを見る群かスロットマシーンを行う群に割り付けられた。 主な結果は以下のとおり。 ・実験1において、ギャンブルは、アルコール飲料の注文数、消費量、飲酒ペース、飲酒意向を有意に増加させた。 ・実験2では、これらの影響は確認されなかった。 ・両実験において、ギャンブルの成果とアルコール消費との関連は認められなかった。 著者らは「これまでの研究と関連し、特定の条件下でのギャンブルがアルコール消費を促進する点は、ギャンブルとアルコールが互いに増強する可能性のあるフィードバックループを形成していることを意味する。しかし、両実験における結果の相違は、影響の境界条件を示唆しており、今後の研究を行ううえで、ギャンブルとアルコール消費との関連を測定するためには、方法論的考察の検討が必要である」としている。 ■関連記事 ギャンブル依存とADHD症状との関連 アルコール依存症に対するバクロフェン治療に関するメタ解析 アルコール依存症治療に期待される抗てんかん薬 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Tobias-Webb J, et al. J Gambl Stud. 2018 Jul 11. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 アルコール依存症治療に期待される抗てんかん薬 医療一般(2014/12/29) ADHD症状とギャンブル依存との関連 医療一般(2016/02/26) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 60歳以上への2価RSVワクチン、RSV関連呼吸器疾患による入院を抑制/NEJM(2025/09/19) 心筋梗塞後の高齢患者、多領域リハビリで予後改善/NEJM(2025/09/19) フレマネズマブ24ヵ月投与中止後の片頭痛悪化と投与再開後の治療反応(2025/09/19) ブロッコリー・キャベツなどが大腸がん予防に/メタ解析(2025/09/19) 人生における目的意識は脳の健康を守る?(2025/09/19) COVID-19罹患は喘息やアレルギー性鼻炎の発症と関連(2025/09/19) 隠れた脂肪の蓄積が心臓の老化を加速させる(2025/09/19) [ あわせて読みたい ] 第50回日本骨髄腫学会学術集会:独占インタビュー(2025/04/18) ASCO2025 まとめ(2025/06/02) かかりつけ医のためのがん患者フォローアップ(2025/06/13) 医療・介護施設従事者のための転倒・転落事故へのアプローチ ~転倒・転落事故のメカニズム、予防、事故後フォローのすべて~(2025/02/27) 非機器的早期運動療法はDVT発生率を低減【論文から学ぶ看護の新常識】第1回(2025/02/05) トレンド・トーク『肺がん』(2024/06/11) 災害対策まとめページ(2024/02/05) Dr.大塚の人生相談(2024/02/26) IBD(炎症性腸疾患)特集(2023/09/01) 旬をグルメしながらCVIT誌のインパクトファクター獲得を祝福する【Dr.中川の「論文・見聞・いい気分」】第63回(2023/08/29)