早期乳がんへの術前nab-PTX、DFSを改善/JCO

提供元:ケアネット

印刷ボタン

公開日:2019/05/28

 

 GeparSepto試験では、早期乳がん患者のネオアジュバント治療として、アルブミン懸濁型パクリタキセルの週1回投与(weekly nab-PTX)が、従来の溶媒型パクリタキセルの週1回投与(weekly sb-PTX)に比べ、病理学的完全寛解率を有意に改善することが示されている。今回、ドイツ・Helios Klinikum Berlin-BuchのMichael Untch氏らは、本試験の長期アウトカムとして、invasive disease-free survival(iDFS)などを報告した。Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2019年5月13日号に掲載。

 本試験では、組織学的に確認された原発性乳がん患者を、weekly nab-PTX 150mg/m2(試験修正後は125mg/m2)またはweekly sb-PTX 80mg/m2に1:1の割合で無作為に割り付けた。両群とも、エピルビシン90mg/m2+シクロホスファミド600mg/m2を3週ごとに4サイクル投与した。HER2陽性例には、化学療法と並行して、トラスツズマブ(初期用量8mg/kg、その後3週ごとに6mg/kg)とペルツズマブ(初期用量840mg、その後3週ごとに420mg)の投与を1年間継続した。

 主な結果は以下のとおり。

・nab-PTX群606例、sb-PTX群600例で、計1,206例が治療を開始した。
・追跡期間中央値49.6ヵ月(範囲:0.5~64.0ヵ月)以降、243のiDFSに関わるイベントが報告された(sb-PTX群143イベント、nab-PTX群100イベント)。
・4年時点で、nab-PTX群ではsb-PTX群と比べて有意にiDFSが高かった(84.0% vs. 76.3%、ハザード比:0.66、95%CI:0.51~0.86、p=0.002)が、全生存率は有意な差はなかった(89.7% vs.87.2%、ハザード比:0.82、95%CI:0.59~1.16、p=0.260)。
・治療関連末梢性感覚ニューロパチー(PSN)の長期フォローアップの結果、nab-PTX 150mg/m2と比べて125mg/m2でPSNが改善するまでの期間の中央値が有意に減少した。

(ケアネット 金沢 浩子)