StageIIIの非小細胞肺がんの化学放射線療法(CRT)10年後の累積毒性発現と長期転帰を評価する多施設第III相無作為化試験WJTOG0105が行われ、その結果が国立がん研究センター東病院の善家 義貴氏らによりJAMA Oncology誌に発表された。
非小細胞肺がん440例を無作為に割り付け、 CRTの長期転帰を比較
・対象:切除不能なStageIII非小細胞肺がん患者
・試験群:
毎週イリノテカン+カルボプラチン 6サイクル+胸部放射線療法(TRT)60Gy→イリノテカン+カルボプラチン 2サイクル(B群)
毎週パクリタキセル+カルボプラチン 6サイクル+TRT 60Gy→パクリタキセル+カルボプラチン 2サイクル(C群)
・対照群:マイトマイシン+ビンデシン+シスプラチン 4サイクル+TRT 60Gy(A群)
・評価項目:
[主要評価項目]CRT後10年の生存率
[副次評価項目]CRT開始90日以降の毒性
StageIII非小細胞肺がんのCRT10年後の累積毒性発現と長期転帰を評価した主な結果は以下のとおり。
・2001年9月〜2005年9月に、440例の患者がA群(146例)、B群(147例)、C群(147例)に無作為に割り付けられた。
・CRTを受けた非小細胞肺がん患者の追跡期間中央値は11.9年であった。
・全生存期間中央値はA群20.5ヵ月、B群19.8ヵ月、C群22.0ヵ月、10年生存率はそれぞれ13.6%、7.5%、15.2%で、治療群間に有意差はなかった。
・10年無増悪生存率はA群8.5%、B群6.5%、C群11.1%であった。
・Garde3/4の後期毒性はA群で3.4%(心臓0.7%、肺2.7%)に発現。肺にのみ発現したGarde3/4の毒性はB群3.4%、C群4.1%であった。
この非小細胞肺がんCRT開始から10年間の追跡において、C群はA群と同様の有効性と安全性プロファイルを示した。
(ケアネット 細田 雅之)