オマリズマブ、免疫チェックポイント阻害薬および抗HER2薬のそう痒症を改善/Ann Oncol

提供元:ケアネット

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公開日:2021/04/13

 

 IgE阻害薬オマリズマブ(商品名:ゾレア)はアトピー性皮膚炎、蕁麻疹などのそう痒症に有効である。がん領域におけるそう痒関連皮膚有害事象(paCAE)は、免疫チェックポイント阻害薬や抗HER2薬で多くみられる。これらの薬剤による難治性paCAEを伴うがん患者に対してオマリズマブを評価する多施設後ろ向き研究の結果が発表された。

・対象:免疫チェックポイント阻害薬または抗HER2薬によるGrade2〜3の掻痒を有し、局所ステロイドと1つ以上の全身療法に抵抗性の患者
・介入:オマリズマブを月1回投与
・主要評価項目:paCAEのGrade0〜1への改善

 主な結果は以下のとおり。

・34例(女性50%、年齢中央値67.5歳)、がん治療関連paCAE(免疫チェックポイント阻害薬71%、抗HER2薬29%)に対するオマリズマブ投与を受けた。
・対象は、すべて固形腫瘍(乳房29%、泌尿生殖器29%、肺15%、その他26%)で、64%に蕁麻疹が認められた。
・オマリズマブの奏効は34例中28例(82%)に認められた。
・paCAEの支持療法として経口コルチコステロイドを投与された患者の割合は、50%から9%に減少した(P<0.001)。
・皮膚毒性のために腫瘍治療を中断した患者は31%(32例中10例)であった。
・オマリズマブに関連するアナフィラキシーまたは過敏反応の報告は認められなかった。

(ケアネット 細田 雅之)