インターネット・ゲーム依存に対する治療の有効性比較~メタ解析

提供元:ケアネット

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公開日:2022/03/30

 

 インターネット・ゲーム依存は、小児や若年成人に負の影響を及ぼす可能性のある精神疾患の1つである。台湾・中央研究院のChuan-Hsin Chang氏らは、インターネット・ゲーム依存に対する薬物療法および心理社会的介入の推定効果を包括的に比較するため、ランダム化比較試験や最新メタ解析を用いて、メタ回帰分析を行った。International Journal of Environmental Research and Public Health誌2022年2月24日号の報告。

 インターネット依存およびインターネット・ゲーム依存に対する介入を検討した研究(2000~17年)をPubMed、MEDLINE、Cochrane Library、Airiti Libraryより検索した。選択された29論文より124研究が抽出された。対象は、小児、若年成人のインターネット依存およびインターネット・ゲーム依存患者5,601例。

 主な結果は以下のとおり。

・プールされた標準化平均差(SMD)のメタ解析では、インターネット依存およびインターネット・ゲーム依存に対する治療介入の高い効果が示唆された(予備的ランダム効果:1.399、95%信頼区間:1.277~1.527)。
・交絡リスク(年齢、出版年、対象者の種類、研究の種類)で調整した後、最も効果的な治療オプションは、薬物療法と認知行動療法(CBT)またはマルチレベルカウンセリング(MLC)の併用療法であることが明らかとなった。
・より効果的な測定方法は、オンラインで過ごす時間(p=0.006)またはインターネット依存の重症度(p=0.002)に関する尺度を使用することであった。
・うつ病を合併している患者では、他疾患を合併している若年患者と比較し、アウトカム不良であった。
・対応するモデルの適合度指数は、τ2=1.188、I2-Residual=89.74%、Adjusted-R2=16.10%であった。

 著者らは「インターネット・ゲーム依存の若年患者にとって、薬物療法とCBTまたはMLCの併用療法は、効果的な治療戦略である可能性が示唆された」としている。

(鷹野 敦夫)

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