インターネット依存症は、深刻な問題であり、近年その発生率は有意な上昇をみせている。愛媛大学の河邉 憲太郎氏らは、青年期のインターネット依存症について4年間にわたる2つの横断研究により調査し、その結果生じる生活の変化についての評価を行った。Pediatrics International誌オンライン版2020年4月16日号の報告。
12~15歳の中学生を対象に、2014年(第1次調査)および2018年(第2次調査)に調査を行った。対象者には、インターネット依存度テスト(Young's Internet Addiction Test:IAT)、GHQ精神健康調査票(General Health Questionnaire:GHQ)日本語版、睡眠習慣と電気機器使用に関するアンケートを実施した。
主な結果は以下のとおり。
・第1次および第2次調査より、1,382人について調査を行った。
・平均IATスコアは、第2次調査(36.0±15.2)において、第1次調査(32.4±13.6)よりも有意に高かった。
・IAT合計スコアの増加は、2014年よりも2018年のほうが、インターネット依存症の割合が有意に多かったことを示唆している。
・GHQの各サブスケールでは、社会機能障害スコアが、第1次調査よりも第2次調査において有意に低かった(p=0.022)。
・第2次調査における週末の平均総睡眠時間は504.8±110.1分、起床時間は8:02であり、第1次調査と比較し、総睡眠時間は有意に長く、起床時間は有意に遅かった。
・スマートフォンの使用率は、第1次調査よりも第2次調査のほうが有意に高かった(p<0.001)。
著者らは「インターネット依存症に関する調査結果では、2014年と2018年の4年間で、変化が認められた」としている。
(鷹野 敦夫)