PD-L1陽性非小細胞肺がん(NSCLC)に対するペムブロリマブの術後補助療法は、日本人においても有効で、グローバルと同等の成績を示した。
ペムブロリズマブによるNSCLCの術後補助療法を評価する第III相PEARLS/KEYNOTE-091試験における日本人患者の結果が、第63回日本肺癌学会学術集会で、国立がん研究センター東病院の坪井 正博氏から発表されている。
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PEARLS/KEYNOTE-091のグローバル第2回中間解析において、ペムブロリズマブの補助療法はプラセボに対し、HR 0.76(p=0.0014)と、無病生存期間(DFS)を延長している。
主な結果は以下のとおり。
・日本人の登録は136例で、ペムブロリスマブ群67例とプラセボ群69例に無作為に割り付けられた。
・日本人集団のデータカットオフ時(2021年9月20日)における追跡期間中央値は39.1ヵ月であった。
・日本人集団のDFS中央値はペムブロリスマブ群40.5ヵ月、プラセボ群は35.0月で、HRは0.75(95%信頼区間[CI]:0.45〜1.24)とペムブロリスマブ群でグローバルと同様の改善を示した。2年DFS率はペムブロリスマブ群66%、プラセボ群55%であった。
・PD-L1別の解析は対象数が少ないため評価されていない。
・日本人集団における全生存期間は解析対象に至っていない。
・Grade≧3の有害事象(AE)は、ペムブロリスマブ群の22.4%、プラセボ群の13.0%で発生した。治療中止に至ったAEはペムブロリスマブ群の16.4%、プラセボ群の7.2%で発現した。免疫関連AEはペムブロリスマブ群の41.8%で発現、一方プラセボ群では10.1%であった。
発表者の坪井氏は、これら日本人集団の結果はグローバルと一致していることから、ペムブロリスマブのNSCLC術後補助療法は日本人においても新たな治療選択肢となる可能性があると述べている。
(ケアネット 細田 雅之)