いまだ議論の余地が残る昼寝とうつ病リスクとの関連について、中国・江西科技師範大学のLiqing Li氏らはメタ解析を実施し、これらの関連性を明らかにしようと試みた。その結果、昼寝はうつ病の予測因子であることが示唆された。Frontiers in Psychology誌2022年12月15日号の報告。
昼寝をしている人は抑うつ症状のリスクが高かった
2022年2月までに公表された研究を、PubMed、Embase、Web of Science、China National Knowledge Infrastructure databasesより検索し、解析に含めた研究のリファレンスリストの情報も併せて収集した。ランダム効果モデルを用いて、複合エフェクトサイズを推定した。
昼寝とうつ病リスクとの関連を解析した主な結果は以下のとおり。
・9件の研究、64万9,111人をメタ解析に含めた。
・昼寝をしている人は、抑うつ症状のリスクが高かった(プールされたオッズ比:1.15、95%信頼区間:1.01~1.31、I
2=91.3%、p for heterogeneity<0.001)。
・ファンネルプロット、Egger's test、Begg's testでは、明確な出版バイアスは確認されなかった。
・昼寝がうつ病リスクに及ぼす影響には、個人の特性、昼寝のパターン、個別の睡眠体験により違いがみられる。
(鷹野 敦夫)