低炭水化物食はテストステロンの血清レベルを上昇させ、メタボリックシンドロームに伴う男性の性腺機能低下症の勃起機能を改善する可能性があることがブラジルのCaio da Silva Schmitt氏らが行った非盲検ランダム化臨床試験によってわかった。BMC Endocrine Disorders誌2023年2月2日号の報告。
低炭水化物食群では血清総テストステロン値の有意な上昇が見られた
メタボリックシンドロームはいくつかの疾患の危険因子であり、その中でもメタボリックシンドロームと性腺機能低下症の関係はよく知られている。著者らは、低炭水化物食が血清総テストステロンを増加させ、メタボリックシンドロームに伴う性腺機能低下症の男性の勃起機能を改善できるかどうかを評価する目的で研究を行った。
メタボリックシンドロームの性腺機能低下症の男性18例を対象に、低炭水化物食群と対照食群を3ヵ月間比較する非盲検ランダム化臨床試験を実施した。身体測定値(体重、BMI、腹囲、ヒップ周り、胴囲)、血清総テストステロン値、性腺機能低下症の症状(ADAMおよびAMSスコアによって測定)、性機能(IIEF-5スコアによって測定)が評価された。
低炭水化物食が血清総テストステロンを増加させ、メタボリックシンドロームに伴う性腺機能低下症の男性の勃起機能を改善できるかどうかを研究した主な結果は以下のとおり。
・身体測定値は低炭水化物食群でのみ正常値に近づいた。
・低炭水化物食群ではIIEF-5スコアが統計学的に増加し、AMSとADAMスコアが有意に減少した(p<0.001)。
・対照食群と比較して、低炭水化物食群では血清総テストステロン値の有意な上昇が見られた(p<0.001)。
(ケアネット 溝口 ありさ)