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ベンゾジアゼピン使用と認知症リスク~メタ解析包括レビュー

高齢化社会に伴い、認知症の患者数は増加しており、認知症が主な死因の1つとなっている。しかし、ベンゾジアゼピン使用と認知症リスクとの関係については、一貫した結果が得られておらず、エビデンスの最新レビューが必要とされる。台湾・中国文化大学のChieh-Chen Wu氏らは、メタ解析の包括的レビューを実施し、ベンゾジアゼピン使用と認知症リスクとの関連についての入手可能なエビデンスを要約した後、その信頼性を評価した。Journal of Personalized Medicine誌2023年10月12日号の報告。
ベンゾジアゼピン使用と認知症リスクとの関係を調査した観察研究のメタ解析をシステマティックに評価した。各メタ解析について、全体的なエフェクトサイズ、不均一性、バイアスリスク、論文の公表年を収集し、事前に指定した基準に基づきエビデンスの格付けを行った。各研究の方法論的な品質の評価には、システマティックレビューを評価するための測定ツールAMSTARを用いた。
主な結果は以下のとおり。
・30研究を含む5件のメタ解析を分析に含めた。
・ベンゾジアゼピン使用と認知症リスクとの関連についてのエフェクトサイズは、1.38~1.78であった。しかし、この関連性を裏付けるエビデンスは弱く、含まれた研究の方法論的質は低かった。
著者らは「ベンゾジアゼピン使用と認知症リスクとの関連性を示唆するエビデンスは限られており、因果関係を明らかにするためには、さらなる研究が必要である」としたうえで「医師は、適応症に準じたベンゾジアゼピン使用を行わなければならない」とまとめている。
(鷹野 敦夫)
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