学会のSNS発信はどうあるべき?JSMO2024でシンポジウム開催

提供元:ケアネット

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公開日:2024/02/13

 

 2024年2月22日(木)~24日(土)、第21回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO2024)が名古屋国際会議場とオンラインのハイブリッド形式で開催される。新薬開発や臨床課題に関する多くの演題が並ぶ中、一風変わったシンポジウムが企画されている。

 テーマは「学会としてSNSをどう活用していくべきか」、昨年4月にJSMO広報渉外委員会の下部組織として「SNSワーキンググループ(SNS-WG)」が発足したことを契機に企画されたシンポジウムだ。SNS-WGは立候補制で、現在専攻医からがん薬物療法専門医まで、幅広い世代のJSMO会員メンバーが参加する。

 SNS-WGの活動目的は下記のとおり。
1)JSMO会員のSNS利用を活発にするための環境整備
2)医学生・研修医や一般市民に向けた腫瘍内科・JSMOの認知度向上
3)JSMOの国際化

 今回のシンポジウムでは、SNS-WGの活動内容、米国臨床腫瘍学会(ASCO)、欧州臨床腫瘍学会(ESMO)、国内でSNS活動を最も精力的に行っている学会の1つである日本循環器学会がSNSを活用するために行っている取り組みを共有し、今後のJSMOのSNS-WGが進むべき方向性やSNSの上手な使い方について討論する予定だという。SNS-WGメンバーのほか、X(旧Twitter)で長年医療情報の発信を続ける循環器内科医・岸 拓弥氏が、日本循環器学会と自身の取り組みを紹介する予定だ。JSMO2024では会場内での許可のない撮影は禁止されているが、本シンポジウムに限っては、スライドの撮影およびSNSへの投稿を自由としている。

 SNS-WGのメンバーの1人である寺田 満雄氏(名古屋市立大学大学院 医学研究科 乳腺外科学分野/The University of Pittsburgh Medical Center)は、「海外と比べ、日本ではまだ腫瘍内科はマイナーな存在。SNSで医学生や研修医に向けて情報発信し、魅力を伝えて志望者を増やしたい」と語る。さらに「最大のイベントであるJSMO2024会期中にSNSでの発信を増やし、学術集会を盛り上げることも目指したい」と語る。さらに「国内での情報発信の基盤ができたあとは、ASCOやESMOのように発表スライドを撮影して即時にSNSに投稿、その場でディカッションが起きるような環境整備も進めたい」と今後の展望を語る。

 学会のSNS活用においては、投稿が炎上する、といったリスクも指摘されるところだが、「海外学会を見ていると、情報公開、拡散は避けられない流れ。投稿規定を定め、リテラシーを高めて経験を重ねれば、不要なリスクは避けられるはず。日本のプレゼンスを高め、患者・市民参画(Patient and Public Involvement)を促進するためにSNSは欠かせない手段だと考えている」(寺田氏)。まずはSNSを使うJSMO会員を増やそうと、シンポジウムでは個人向けにSNSを使った上手な情報収集法、上手なセルフブランディングなどの話題も提供するという。

 シンポジウムの詳細は以下のとおり。

JSMO2024(名古屋国際会議場)
委員会企画2(SNS-WGシンポジウム)
2月22日(木)15:40~17:10
Room 6(1号館3F 会議室131+132)

【司会】
後藤 知之氏(滋賀県立総合病院 腫瘍内科)

【冒頭挨拶】
武藤 学氏(京都大学大学院医学研究科 腫瘍薬物治療学講座)

【演者】
山口 祐平氏(名古屋医療センター)
上原 悠治氏(都立駒込病院 呼吸器内科)
岸 拓弥氏(国際医療福祉大学大学院医学研究科  循環器内科)

【ディスカッサント】
岸 拓弥氏(国際医療福祉大学大学院医学研究科  循環器内科)
上原 悠治氏(都立駒込病院 呼吸器内科)
扇屋 大輔氏(東海大学医学部 内科学系 血液・腫瘍内科学)
尾崎 由記範氏(がん研究会有明病院 乳腺内科)
高見澤 重賢氏(NTT東日本関東病院 腫瘍内科)
山口 祐平氏(名古屋医療センター)

 学会はライブ配信のほか、3月1日(金)~29日(金)の期間にオンデマンド配信も行われる。

(ケアネット 杉崎 真名)