ペムブロリズマブと化学療法の併用は、アジア人の胃がんの1次治療においてもグローバルと同様、良好な結果を示した。
切除不能または転移を有するHER2陰性胃・食道胃接合部腺がんの1次治療におけるペムブロリズマブと化学療法併用を検討した第III相KEYNOTE-859試験のアジア人サブセット解析の結果を、神戸市立医療センター中央市民病院の安井 久晃氏が、第21回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO2024)で発表した。
グローバルITT集団では、全生存期間(OS)中央値12.9ヵ月対11.5ヵ月(ハザード比[HR]:0.78、95%信頼区間[CI]:0.78~0.87)、無増悪生存期間(PFS)6.9ヵ月対5.6ヵ月(HR:0.78、95%CI:0.67~0.85)と、ペムブロリズマブ・化学療法併用群が化学療法群に対して優越性を示している(追跡期間中央値31.0ヵ月)。
・対象:HER2陰性の局所進行切除不能または転移のある胃・食道胃接合部腺がん
・試験群:ペムブロリズマブ(200mg)+化学療法(FPまたはCAPOX)3週ごと(ペムブロリズマブ・化学療法併用群)
・対照群:プラセボ+化学療法(FPまたはCAPOX)3週ごと(化学療法群)
・評価項目:
[主要評価項目]OS
[副次評価項目]PFS、奏効率(ORR)、奏効期間(DOR)、安全性
アジア人サブセットは525例で、ペムブロリズマブ・化学療法併用群は263例、化学療法群は262例であった。
主な結果は以下のとおり。
・追跡期間中央値は28.6ヵ月であった。
・OS中央値はペムブロリズマブ・化学療法併用群17.3ヵ月、化学療法群13.0ヵ月(HR:0.71、95%CI:0.58~0.87)であった。
・PFS中央値はペムブロリズマブ・化学療法併用群8.4ヵ月、化学療法群5.8ヵ月(HR:0.72、95%CI:0.58~0.88)であった。
・ORRはペムブロリズマブ・化学療法併用群61.2%、化学療法群48.9%であった。
・DORはペムブロリズマブ・化学療法併用群10.0ヵ月、化学療法群6.6ヵ月であった。
・Grade3以上の治療関連有害事象は59.9%、44.7%であった。
これらの結果は、ペムブロリズマブの化学療法併用をHER2陰性胃・胃食道部腺がん1次治療の選択肢として支持するものだとしている。
(ケアネット 細田 雅之)